下北沢

2011年11月09日

某月某日

秋風もすっかり冷たくなり、「チルド」された季節の訪れを予感させるこの日、

げんこつ団の稽古場である都内某所には、季節を完全無視した熱気が充満していた。

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熱気のこもる稽古場には出演者たちの声がまっすぐ響き、団長:吉田衣里の冷静な視線が降り注ぐ。

既に整っているかのように見える全体の流れを、一連の動きとして、また瞬間ごとの区切りとして確認し、整頓していく作業は、まさに職人である。

時には吉田自らが、実演し、場所を指示することも。


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それに伴い、劇の様子は、筋が張られたように生き生きと、より胸に迫る情感を以って、精彩を放っていく。


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しかし、ここで気づくことがある。

精彩を放つこれらの劇術、すべてが恐ろしくナンセンスなのである。


交わされるやり取りは、例えば以下の様だ。


「ここ、もう死んでる?すっかり死んでる?」

「ここで○○毛?」「その時は○○毛ね」

(広報注:○○の中身は、とてもここでは公開できません。)


吉田が檄をとばす。

「うん、もっとばかばかしく。」「その方がばかだね。」


これらを大の大人が、華の女性たちが、大真面目に、情熱を込めてやっているのである。

既に「げんこつ団」の舞台をご覧になった経験のある方には、納得いただけるであろう。これは、たしかに一大事の大ばか事である。


一方、稽古場の隅では、出番を待つ出演者らが稽古を見守っている。


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最年少のおでん

文句のない美少女だ。ピッチピチの美少女にして、動作の意味が逐一わからない。大きな可能性を感じさせる。



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こちらは山本結香。下の写真は演技の一環ではなく、あくまで本人の「素」である。


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なんだか全くわからないが、幸せそうで何よりだ。



続いて津波恵

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とても熱心で真面目な様子だが、休憩の際にはレトルトカレーを満喫しながら「スナックを!憧れのスナック経営するママになったら、地球上のどこでやりたい!?」とどこを取っても不可解な質問を浴びせてくるので、油断ならない。



その摩訶不思議な団員と「ナンセンス」な作風に反するように、げんこつ団の稽古はとても合理的、効果的なのだ。


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これでは一体、どれほどの大ばか事が繰り広げられるのだろうか。

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16日、開幕は迫る。げんこつ団1年ぶりの新作、超絶シュールであなたを異世界に連れ出し、魅了する舞台、お見逃しなく!

(広報:U田)

げんこつ団『チルディズム』公演情報ページはこちら


 



(23:40)
げんこつ団
『チルディズム』
2011年11月16日(水)〜
11月20日(日)
下北沢 駅前劇場

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